初めての労災事故で会社に対しても何か請求できるのか知りたい。
労災からの補償だけでは不十分に感じる。
労災事故の原因について会社の責任を追及したい。

この記事は、このような方のために書きました。

本記事を執筆した弁護士

静岡城南法律事務所

山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県が運営する交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
労災事故、交通事故など、損害賠償請求事件を得意とする。

目次

会社の安全配慮義務違反

労災事故について労災保険からの支給を受けられたとしても、補償としては不十分というケースも多々あります。

そこで、労災事故の発生について、会社にも責任があるといえる場合には、会社に対しても、慰謝料等の損害を請求することが考えられます。

重要なポイントは会社にも責任があるといえることです。

会社が十分な安全対策をしていたにもかかわらず、労働者がルールを破って危険な行為を行ってケガをしたという場合には、会社の責任は認められません。

つまり、法律上、会社は「労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」とされていますが(労働契約法5条)、会社がこの安全配慮義務に違反したといえる場合に、労働者は、会社に対しても損害を請求することが可能となるです。

ただ、この安全配慮義務違反があるといえるか否かの判断は非常に難しく、裁判でも争いになるポイントです。

また、会社に安全配慮義務違反はあるが、労働者にも一定の落ち度があるということで過失相殺がされることもあります。
過失相殺というのは、簡単にいうと、例えば、労災事故の発生の原因について労働者にも30%の過失があると判断された場合に、損害額のうち30%分が賠償金が減額されることを言います。

労災からは慰謝料は支払われませんが、安全配慮義務違反が認められれば、会社に対しては慰謝料も請求が可能となります。
そのため、労災だけではなく会社への請求についても、弁護士に相談をすることをお勧めします。

会社との交渉、裁判

会社に対して損害賠償請求をする場合、まずは、損害額の計算をする必要がありますので、その証拠を集めることになります。

具体的には労災から病院の記録を取り寄せたり、休業損害や逸失利益等を請求する場合には、収入関連の資料などを集めます。

もし、事故状況が争いになりそうなケースでは、事故現場の写真などを用意する場合もあります。

そのうえで、損害額の計算をして、会社に請求書を送り、交渉を進めることになります。
なお、労災保険からの支給金については、特別支給金を除き、原則として、会社への請求額から控除する必要があります(損益相殺といいます。)

交渉で話し合いがまとまれば示談となりますが、解決に至らなかった場合には訴訟提起(裁判)となります。

損害の計算や会社との交渉を個人で行うのは、かなりハードルが高いので弁護士への依頼をお勧めします。

本記事を執筆した弁護士

静岡城南法律事務所

山形祐生(やまがたゆうき)

静岡県弁護士会所属 登録番号:44537

静岡県が運営する交通事故相談所の顧問弁護士(静岡県知事の委嘱による)。
労災事故、交通事故など、損害賠償請求事件を得意とする。

関連する記事