示談金額 | |
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労災支給額 | 約2700万円 |
裁判での和解金 | 約600万円 |
合計 | 約3300万円 |
労災事故の内容
Sさん(60代・男性)は工事現場での作業中に同僚が運転するバックホウに轢かれてしまいました。
同僚はバックホウで水道管をクレーンのフックに掛ける玉掛け作業を行ったうえ、水道管を吊り荷した状態(一本吊り)で走行していたのですが、Sさんは、水道管が揺れるのを防ぐため、水道管を支えながら歩いていたところ、足が絡まって転倒してしまい、それに同僚が気がつかず、Sさんを轢いてしまったという事故です。
Sさんはこの事故により、右肩腱板断裂、会陰部挫傷、右大腿挫傷、骨盤開放骨折、左精巣損傷等多数負傷し、遺障害等級11級が認定されました。
弁護士の活動と結果
まずは、労災事故の詳細やSさんの後遺障害の内容を把握するため、労基署に対して、情報開示を申請しました。
そして取り寄せた資料を分析して、Sさんの損害額ができるだけ高くなるように損害計算をしました。
今回の工事現場は、Sさんの会社が下請けで、元請けの会社にも管理責任があると考え、両社に対して訴訟提起し、安全配慮義務を理由に損害賠償請求をしました。
裁判では、会社側はSさんの過失を主張してきました。確かに、水道管を支えながらバックホウと並んで歩くことは事故発生の危険があるものですが、Sさんとしては、そのような作業方法を現場監督等から指示されていたこと、実際、現場監督から注意されることは無かったことなどを主張しました。
その結果、元請けの会社を含め会社側の責任が認められ両社合わせて約500万円の和解金を支払う内容での和解となりました。